エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE

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人気海外ドラマ『ブレイキング・バッド』のその後のストーリーを描いた『エルカミーノ』。ファン待望の「アーロン・ポール」演じる「ジェシー・ピンクマン」主人公の映画です。ドラマをまだ観ていない方にはなんのこっちゃわからない内容ですのでご注意を。

ちなみにNETFLIXでは完結した『ブレイキング・バッド』全シリーズと、現在シーズン4まで公開しているスピンオフドラマ、『ベター・コール・ソウル』の視聴が可能ですので、まだ観ていない方はおすすめですので是非ご視聴ください!

ここからはネタバレを含みます!

あらすじ

映画は「ブレイキング・バッド」最終話の直後、ジェシーが車で監禁されていた場所から逃げ出すシーンからはじまる。ストーリーは脱出直後をメインに、監禁されていた時の回想シーンを織り交ぜて進んでいく。

監禁から解放されたジェシーは奪った「エルカミーノ」で逃亡を図り、かつての悪友「バッシャー」と「スキニー」に協力を求める。

ジェシーは指名手配となり、警察の手から逃げることになるが、逃亡資金確保のためにある場所へと赴く。

その場所とはかつて監禁されていたグループの一人「トッド」が住んでいたマンション。そのマンションには彼が隠していた大金があった。

金を探しにきたジェシーは、やっとのことで金の隠し場所をみつけたところで、二人の警官とはちあわせになってしまう。ジェシーは観念して警察に身を委ねるが、その警官も金を探しに来た偽の警官だった。

偽の警官は監禁していたグループとつながりがあった溶接会社の男たち。はじめジェシーは気が付かないが、ジェシーの監禁の手助けをしていたのはこの男だった。その場は金を山分けすることでお互い手を打つ。

ジェシーは新しい生活を得るべく、以前依頼した掃除機屋(裏では新しい身分証や住む場所の手配等を行う男)をみつけだす。

だがしかし、用意した金では費用が足りず、資金を用意するため、ジェシーは両親に待ち合わせの電話をかけ、両親が家にいない隙に家の金庫からを手にする。

そこで銃を手にしたジェシーは一人溶接会社へと乗り込み、手にした銃で決闘を行い、奪われた金を手にする

金を手にしたジェシーは掃除機屋の手を借り、新しい身分を手にして掃アラスカへと移住する。掃除機屋に最後、手紙を送るよう依頼し、車で立ち去る。

ラストはかつての恋人「ジェーン」との回想シーンで物語は終わります。

考察

タイトル「エルカミーノ」とは

タイトルの「エルカミーノ」とは「シボレー・エルカミーノ」という車の車種のことで、ジェシーが映画の冒頭(ドラマのラスト)でこれに乗って脱出し、自由を手にします。また「El Camino」はスペイン語で「」という意味があり、「自由」を手にしたジェシーがどのような「」を歩むのかといった意味もタイトルに込められているのではないでしょうか。

“ただひとつのやるべきこと”とは

作品の紹介文に「監禁場所から逃げ出したジェシー・ピンクマンが、やるべきことはただひとつ」とありました。この文章から察するになにか大きな復讐や、誰かへの恩返し等を想像させましたが、実際の内容は、「自由になるための資金調達、新しい身分と住まいの確保」でした。これは内容うんぬんより紹介文の書き方がちょっと的を射ていないもので、変な期待感を持たせる要因になっていたのではないかと個人的に思います。

自由を自分で掴めないもどかしさ

回想シーンの中で、ジェシーは一度トッドから銃を奪い、自由を得るチャンスを手にします。しかし彼はトッドに逆らうことができず、「帰りにピザを買っていこう、どんなピザが好きだ」というセリフに対し、涙を流しながら「・・・ペパロニ」と答えるシーンがあります。自由があと少しで手に入る状況にありがなら、監禁されている間にすべてを奪われ、逃げる気力さえも奪われてしまったジェシーが、自ずから自由を放棄してしまうとても印象的でした

ジェシーが手紙を送った相手

映画のラストシーンでジェシーは一通の手紙を掃除機屋に託します。内容はわかりませんが、宛先は殺されたかつての恋人「Andrea Cantillo」の息子「Brock Cantillo」となっており、色々なものを失い、すべてを捨てアラスカに移住したジェシーの最後の心残りが彼だったのだと考えられます。

最後の回想シーンが物語るもの

最後は「クリステン・リッター」が演じるかつての恋人「ジェーン」との回想シーンで物語は終わります。最後のセリフは以下。

「I’ve gone where the universe takes me my whole life. 」

(今までずっと宇宙に身を任せて生きてきた)

「It’s better to make those decisions for yourself.」

(自分自身で決める方がいいわね)

いままで流されるように生き、ホワイト先生に巻き込まれ、自分自身で決断をしてこなかった彼が、最後の最後で自分の力で自由を選択し、自分のを得ることがでたというメッセージが込められたラストシーンだったと思います。

感想・評価

随所に織り込まれるブレイキング・バッド節

ブレイキング・バッドの魅力の一つはまず「ジェシー・ピンクマン」をはじめとしたキャラクターの良さにあると思います。出てくる奴らは基本悪い奴らばかりなのですが、どれもどこか憎めないキャラクターをしています。今回の映画でもジェシーの悪友の「バッシャー」、「スキニー」や、回想シーンですが「ホワイト先生」も出演します。少し気になったのは役者さんが加齢で太っていた点でしょうか。

また、あるシーンでパステル調の家具の奥に死体があるカメラワークや、雑な死体を投げ落とすシーンな、シリアスな中にクスっと笑えるブレイキングバッド節がとても効いていて観ていて懐かしく、とても楽しめる作品でした。

ドラマが良い作品な為、期待値が高すぎた

本編のブレイキング・バッドを観た方なら、誰もがジェシーのその後が気になったかと思います。つらい思いをして来た彼にはぜひ幸せになってほしいと願った人がほとんどでしょう。今回の映画はそんなジェシー・ピンクマンのその後のストーリーということもあり、期待をしつつも観る前から若干の不安も感じていました。

続編というのはあまり良い出来でないケースのものが多く、蛇足である作品が多いように思います。

本作品は評価は期待度が高かったためあえて★★★☆☆とさせていただきましたが、ファンなら是非観ていただきたい作品ですし、まだブレイキング・バッドを観ていないという方には、ぜひ一度ドラマを観ていただきたいと改めて思えるような作品でした。

作品概要

https://www.netflix.com/jp/title/81078819

監禁場所から逃げ出したジェシー・ピンクマンが、やるべきことはただひとつ。監督・脚本は「ブレイキング・バッド」のヴィンス・ギリガン。主演アーロン・ポール。

人物:
ヴィンス・ギリガンアーロン・ポール
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